2017/11/1  Until I Find You

高校生の頃
「百億の昼と 千億の夜/萩尾望都」
「日出処の天子/山岸凉子」
「綿の国星/大島弓子」が連載中だった。
なんて豪華な漫画狂時代。
友達と分担してマンガを買っては回し読みした。
そして友人達と私は、その何倍かの時間を読書に使った。
各々、好きなジャンルが微妙にちがって
SF、推理、ミステリ、歴史もの、などなどなども回し読みした。
漫画も大好きだったし、本も大好き。

うん十年たって、今、頭にうかぶのは大島弓子。
大島弓子は日本の文学界にも影響を与えている。
よしもとばなな「キッチン」は
まるで大島弓子漫画をそのまんま活字にしたようだったし
長島有は、文学になってるけど、空気感がすごく近いと思う。
石田衣良は、読んでないから知らないけど、
ずっと、イライラの衣良「バナナブレッドのプディング」主人公、
かと思っていました。
(石田平イシダイラ、という名字から、らしいです)
その関係性についてはそれほど詳しくないからおいといて

大島弓子漫画は
お目々キラキラでいかにも少女マンガ、て感じだけど
主人公が一般的じゃない。
一般的てなに? てところから始めると長くなるから止めておくけれど。
7歳にして大人の頭脳をもつ小学生。
肥満とモデル体型をいったりきたり形状記憶合金のような過食症少女。
人の何倍もの早さで年をとってしまう女の子。
死後の世界から戻ってきた女子高生。
山で滑落して死んだと思われていたが、するりと生還してしまった大学生。
仔猫だけれど、人間の子どものような容姿で描かれる、チビネコ。
ちがう殻のなかに、
なにかの手違いで押込められてしまったかのような主人公たち。

見た目と中身が、周りの期待とは、あっていない。
ホント、女子高生、て感じだ。
混迷中のティーンエイジャーであり
流行や新しい文化を発信する
いつの世も、人々のあこがれであり、恥部でもある。
そしてこれらのお話は、ほぼすべて許しと癒しの物語だった。

学生時代を卒業してからはマンガは読まなくなっていたけれど
マンガの流れからか、
私には、同時代を生きている作家が必要、と感じていた。
SFの時代は終わっていたし、
ミステリはクラッシックな世界だし
古典も好きだけれどね
同じ時代の空気を吸って、同じ時代の出来事を体感しているからこそ
感じる事もある。

それは「風の歌を聴け」なんじゃないのか、と思っていたけれど
私はハルキストには、なれませんでした。

あるとき、ヒトの本棚で「熊を放つ」(翻訳/村上春樹)を見つけた。
ジョン・アービングという作家は読んでいなかったな。
私の中でどこに属するものかはわからなかったけれど
砂で洗ったフライパンのように、底に残るものがあって
次つぎと読んだ。

「ホテル ニュー ハンプシャー」で大好きな場面がある。
アメリカ人である父が、ベルギーのレストランにはいっていって
くたびれたジャケットのポケットに手を突っ込んだまま、そこに立っていると
テーブルについている周りのヨーロッパ人から、
羨望とあこがれの眼差しをむけられる
と語り手が語るところ。

もう決まりだ。
「新作がでるのを心待ちにする、女性読者」
ていうのに、私も仲間入りしてしまったらしい。

新作がでるたび裏切られる期待と裏切られないおもしろさ。
こんな作家がいて、本当に幸せだと思う。

最近になってやっと気がついた。
これは、癒しと許しの物語。
大島弓子のお話と一緒なんだな。
気がつかないうちにお会いしていましたね。

 

 

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